2011/09/05

古くから山がシンボル──大倉山

 8月一杯で、東日本大震災被災地への自衛隊「大規模震災災害派遣」が終了しました(原発周辺の支援などは継続)。
 国民は皆、とにかく自衛隊には頑張ってもらいたいと応援していましたから、お疲れ様でしたと共に「ありがとうございました!」と感謝を伝えたいところです。
 約5ヶ月半、延べ約1063万人が動員され、とりあえずの緊急対応が済んだとされますが、これからの復興「さぁ、どうしよう」が始まります。
 私利私欲を抜きにしても、「一から始まる町づくり」に携わる人たちは、責任の重大さから気概・やりがいに満ちていることでしょう。
 困難さは周知のところですが、1000年に一度の大災害と考えると、例えとして正しいか分かりませんが「奈良の大仏(743年)」を作るような意気込みを持てたなら、必ず成し遂げられると信じられる気がします。
 そんな「神でも仏でも」、とにかく何を利用してでも立ち直りたいとすがる(?)思いにこそ、不信心な国民の本質(たくましさ)が表れているのではないだろうか……


2011.8.13
【神奈川県】


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大倉山(Map)

 この駅を利用した方はイメージできると思いますが、右写真は渋谷方面のホームに隣接する、大倉山公園へと続く急傾斜の坂道です。
 ホームがほぼ平坦とすればその傾斜が見て取れますから、車窓から坂を登る人を目にする度「あの坂は大変だよなぁ」と、応援したくなります。
 ここまで登りたくないと書いたし(?)、前回登りましたから、今回は遠慮させていただきました……

 丘陵地には、梅林で有名な大倉山公園や大倉山記念館があり、現在は公民館的な施設とされ図書館やホールがあり、駅には演奏会イベントのポスターが貼られてあります。
 大倉山記念館はギリシャ神殿風な西洋建築の外観を持つため、大倉山駅前の商店街には、店の門構えに神殿風の柱をディスプレイした建物が並んでいます。
 外見だけ豪華そうに見せて、実は全然出ないパチンコ店のようにも見えますが、町全体として胸を張れる象徴があることは、うらやましいことかも知れません。

 ここは綱島同様に駅周辺が込み入っていて、駅に向かうバスは「ここをバスが通るかね」という道を徐行運転で走ります。
 東京虎ノ門を始点とする中原街道から、多摩川を渡った付近で分岐する綱島街道は、妙蓮寺駅付近までほぼ東横線と並行しますが、東横線新丸子〜妙蓮寺駅周辺の道路事情は概してお粗末で、綱島街道の反対側は、戦後のバラックが商店街になったような雑然とした姿のまま現在に至ります。
 整理されたように見える日吉でも道幅は狭く、到底文化的都市には見えません(バスを通すつもりはなくとも、要求に屈した町の姿か?)。
 東横線建設当時は、渋谷と横浜を結ぶことが大命題で、周囲への配慮や町づくりに対するビジョンが欠けていたようです。
 その反省からか田園都市線建設に当たっては、周辺の大規模開発を念頭に置いた沿線自治体との連携から、現在の発展が生み出されたようです。

 大倉山には新幹線のイメージがあります。菊名駅との間で東横線と交差するからか?
 以前この付近に暮らしていた女性が「大倉山に新幹線の駅があれば会社まで15分で来られる」と、遅刻の言い訳をしていたのを思い出します(会社は浜松町)。
 新幹線の沿線というのは、駅に近い限られた場所以外はまったく便利ではありませんし、騒音・電波障害等々の迷惑ばかりの貧乏クジの土地が延々と続きます。
 それではあんまりなので、税金の優遇くらいしてあげるべきと思ったりします。

 まだ影も見えないリニア新幹線は、東京近郊のほとんどは地下化されるようですが、不気味な振動が伝わることもありそうなので、路線上では見えない敵になるのかも知れません。

 周辺の地図を見ていて気になったのが「トンネル内で新幹線の線路が屈曲している!」ように見える地図上の表現です(赤の点線が新幹線)。これはGoogleですが、Yahoo!も同様です。


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 周辺の道路や住宅の大きさから比べると、新幹線がこんな急カーブを曲がれないだろうと思う程の角度に見えます。


法華寺(Map)


 予備知識を持たぬまま下述の師岡熊野神社を目指していたら、隣にお寺があった、程度の認識でしたが、どうもこちらが本家のようです。
 724年の記録が残るとされ(「794ウグイス平安京」以前の奈良時代)、この地で法華経(日本仏教の原点で聖徳太子が広めたとされる)を唱える僧侶が、夢の中に熊野権現(天皇を神とする神社の信仰対象)のお告を受けたことから、天皇の命で885年創建されたそうです。
 夢の話は都合よすぎるのでおそらく作為的なものでしょう。

 土着的な古神道から発展したとされる神道の根付く日本に仏教が伝来し(552年)、仏の下に神と人間を位置づけ、日本の神々も人間同様に苦しみから逃れ、仏の救済を願うという認識がされるようになります。715年に最初の神宮寺(神仏習合施設:神社境内に仏教寺院が併設されるもの。鎌倉鶴岡八幡宮などが含まれる)が創建され、この地でも江戸末期まで法華経と熊野権現が一体化した信仰が息づいていたようです。

 都合よすぎる話は、明治時代の廃仏毀釈(神道と仏教の分離)により熊野権現が熊野神社に(教えを含め)リニューアルして隣接地に独立すると共に、法華寺が廃寺同然とされた歴史からもうかがえる気がします。


 現在の質素ながらも手入れの行き届いた境内には、清らかさが感じられます。
 この時季に花開くハスを、いくつもの鉢で育てていて、そのつぼみから種が落ちる様子までのさまざまな姿を見ることができました。
 ひっそりした境内に、お寺の方が出てきて本堂へ向かいます。
 戻る際にあいさつしますが、気になって向かってみると、本堂に新しい線香がたかれていました。
 その対象は仏様に限らず、この日が命日の檀家供養かも知れませんが、それは寺のおつとめであるとしても、そんな姿には心に伝わる暖かさを感じます。
 その積み重ねが、仏様への祈りの気持ちに通じていくのでしょうね……


師岡(もろおか)熊野神社(Map)


 ここは横浜北部総鎮守の「郷社」とされ、和歌山県熊野三社の祭神である熊野権現を祭神とします(今回の台風被害に遭われた方にお見舞い申し上げます)。
 神道の社格の順位では、県社>郷社>村社とされる下から2番目ですが、何でも氏子の陳情により県社から郷社に格下げられたとのこと。
 おそらく高い社格を維持するためには、それなりの貢ぎ物が要求されたのではあるまいか?
 格下げを願い出る行為は恥ずかしいものと思われますが、この地域の厳しい事情が察せられます。

 いまどきの「熊野三山」は、世界文化遺産の「熊野古道」や、日本サッカー協会シンボルマークの「八咫烏(やたがらす:神話で、神武天皇を熊野国(和歌山県)から大和国(奈良県)へ案内したとされる三本足のカラス)」のおかげで、認知度が格段に高まっています。
 この神社の社紋である三足烏は、八咫烏に由来すると考えられるため、近ごろでは「サッカー神社」とされるようになり、サッカー日本代表の「必勝祈願」奉納品(実際に祈願したのでしょう。出場選手のサイン入りの旗やボール)が飾られる、有名スポットとなりました。
 公式エンブレムのついた日本サッカー協会公認のお守りや絵馬が販売されるのには、ちょっと驚きました。

 右写真は、杉山神社裏手の切り通し。


トレッサ横浜(Map)

 近ごろ横浜・川崎周辺で、特にバス路線を調べていると目につくのが、新設されたらしき施設の名称です。
 これは例えですが「ららぽーと行き(IKEA経由)」とされても、周辺の町名と結びつかない訪問者には非常に困る表示になります。
 同様に「トレッサ横浜」とはどこにあるのかと思っていましたが、施設の近くを歩いたので立ち寄りました。

 第一印象は今どきの郊外型ショッピングモール同様で、車の来店が前提なのに駐車場入り口で渋滞してしまう、渋滞解消のアイデアが足りないという一般的なものです。
 ここの特徴には、自動車販売のディーラーが屋内の一般店舗と同じフロアに車を展示するスペースがあったり、自動車部品・修理等の大型店舗が入っているので、一般的なショッピングモールに比べるとオッサンの比率が高いように見えることが挙げられます。
 確かにそれも客層拡大のひとつの手なのでしょうね。

 ここの送電線は高いので建設は可能だったようですが、その直下部分は背の低い構造物になっています。


二ツ池(Map)


 ここは以前訪問した三ツ池公園に近く、谷戸からのわき水を有効活用するための農業用水に利用されました。
 三ツ池では段差を作り、貯水量を増やそうとの工夫がありましたが、ここは同じ高さの水面の中央に池を二分する堤が作られています。
 その堤の「龍」に関するいい伝えが、隣接する2つの村にそれぞれ存在します。
 ひとつは、池のさかなを食べ過ぎて飛べなくなったとし、もうひとつは、龍と闘った10頭のクマと共に横たわったとされます。
 そのオチは、池の水をめぐり争いの絶えなかった2つの村で分け合うために、池が分割されたとのこと。水源の問題はいつの時代でも死活問題です……

 現在はフェンスで囲われ、立ち入り禁止&釣り禁止の看板がありますが、水辺には写真のように立派な釣り場がいくつも作られています。
 この日も数人釣りをする姿がありましたが、どうもブラックバス釣りで人気があるようです。
 もともとこの池にそんな魚はいませんから、誰かが放したのでしょう。
 現在使われていないため池なら、釣りが楽しめると考えるのも分かりますが、完全に閉じられた環境ではないので、周辺への影響を考えると、あきらめさせる措置を取るべきと思います。
 少数派の釣りバカの楽しみのために、この地域にしか無い生態系の「自然破壊」は、許すべきではありません。


追記
 先週からトップページのレイアウトが変わりました。
 変更を望んだわけではないのですが、これまで使用していたサイト側から提供されるテンプレートが古いため、システムのバージョンアップに付いていけず、更新がうまくできないので仕方なく変更しました。
 こういうところがコンピュータ環境の無粋なところで、「便利になったから新しいのを使え!」と押しつけられ、うれしくもない機能変更を「無理やり使わされる」こととなります。
 これがまた、レイアウト変更をテストする度にアクセスカウントが増えていくという仕組みで、システム提供側(Google)だけがよろこぶような仕掛けになっています。
 利用する側は「Googleをよがらせるためにブログを書いているのか?」と、興ざめする面を感じ始めています……

1 件のコメント:

dajafadel さんのコメント...

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