2017/10/30

ヨコハマトリエンナーレ2017

2017.9.24【神奈川県】

 転居後は横浜が遠くなったと実感しますし、この距離感では訪問もトリエンナーレ(3年に1度開催される美術展)のようになりそうで、ちょっと寂しい気も……



 今回のテーマは「島と星座とガラパゴス」とされ、「接続」と「孤立」をキーワードに、相反する価値観が複雑に絡み合う世界の状況について考えます、とのこと。
 とはいえ「孤立」する作品の「接続」は深く考えなくて大丈夫。屋外展示のガラパゴスゾウガメ(手前)と、奥の人物を「浦島太郎のように撮りたかった」程度のノリでいいんです! 作品から各人がイマジネーションを広げることが、主題なのですから……

 下は入口付近にそびえるメイン作品(?)で、竹のような植物で作られた巨大なマンモス?


 右は、新しい絞首刑を表現したのかも知れませんが、第一印象は大女の奥さんにお仕置きされる旦那が、身動き取れないよう吊される姿に見えました(5m程度の高さ)。
 彼も、脱出方法を思案しているのでしょうが(息があればだが)、彼の足元に展示される別の作品(下)を気にしているようにも。
 これはカニの集団で、近づいてみれば何とも感じませんが、彼の高さからは得体の知れない生き物に見え、「下に降りるのもイヤだなぁ」と思っているかも知れません。
 こんな見事な取り合わせも展覧会ならでは。





 上は、以前同じ場所で撮った記憶のある構図ですが、奥の大桟橋に大型客船が停泊していると、手前の人物、赤レンガ倉庫(2号館)、客船の奥行きを撮りたくなります。

 右は赤レンガ倉庫内の展示で、東日本大震災被災地の状況をヴァーチャルスコープでのぞく様子。
 これまでも同展覧会で数多く取り上げられたテーマで、災害への感心が薄れつつある昨今でも、ヴァーチャルながら疑似体験を伝え続けられることはとても大切ですし、様々な場面で利用できるのではないかと(陳腐なルックスはやり過ぎ)。




 会場の建物には「ジャックの塔」の愛称があり、トランプの絵札に例えられる神奈川県庁(キング)・横浜税関(クイーン)の中でもっとも凛々しい姿をしています。
 その地下に入れるとよろこんだものの、中は真っ暗で足元も見えません。それが現在の世界が置かれた状況としても、そこからどうやって抜け出すかのビジョンが無いため、作品にもネガティブな印象が残ります(上は2作品の明るい部分を並べたもの)。
 地下はもう結構なので、次回は魅力的な印象が残る地上階を再訪したいと。

 3年に一度横浜を楽しむ展覧会は、町の知らない一面と出会うきっかけになりますから、まだ見ぬ港町の景色を探しに足を運んでみては。

 プロ野球日本シリーズでは横浜を応援していますが……
 横浜に帰ってからの巻き返しを!