2010/10/18

環境にやさしいだんだん池──三ツ池公園

2010.10.11
【神奈川県】


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三ツ池公園(Map)

 この地名を耳にして「三ツ沢公園(横浜市立)」じゃないの? と思う人も多いかも知れません。
 三ツ沢公園は横浜駅に近い高台にあり、Jリーグ旧横浜フリューゲルス(現在横浜F・マリノス)のホームスタジアム「三ツ沢公園球技場」(現在はJ2横浜FCのホーム)があるため知名度も高そうですし、道路情報でも「三ツ沢上町(かみちょう)」の名をよく耳にします。
 ここ「三ツ池公園」は、鶴見・綱島の中間に位置し交通の便はよくないので、車や自転車で訪れる人が多いようです(わたしはバス)。
 でも「三ツ沢:三つの沢があった」「三ツ池:三つの池があった」どちらの地名からも、横浜の代表的な地形である丘陵地が思い浮かびます。

 ここは県立の公園で、名称通り三つの池と、スポーツ施設(多目的グランド、野球場、テニスコート、プール)が整備されています。立地条件や目的の違いもありますが、県立公園よりも市立の三ツ沢公園の方が、はるかにスポーツ施設は充実しています。
 でもここの売りである「里山らしさ」には、三ツ沢もかないません。


 この日は野球もサッカーも、中学生くらいのチームがプレーしていましたが、上写真のように気持ちがプレー(?)に表れてしまうことは、年齢に関係ないことがよく分かります(左の選手はパスを出した後なのに)。
 先日のサッカー日本代表のアルゼンチン戦で、メッシに後ろから押されてボールをコート外に出してしまった長友選手が、振り向きざま「世界のメッシ様」に頭突きしに向かっていきました(軽やかにかわすのがメッシ様)。
 それを見て「やったれ、長友!」と、フェアプレー精神は必要でも、気持ちが表に出るくらいじゃないといいプレーはできない、と応援してましたから、これからは中学生にもそんな声を掛けたいと思っています。


 公園名の由来である「上の池」「中の池」「下の池」の3つの池には、段々畑のような高低差があり、水はその池をゆっくりと下っていきます。
 その構造からは、できるだけ多くの水を蓄えたい、それを安定的に供給したい、はんらんを防ぎたいという要望と、「自分たちで築き、管理可能なサイズにすべき」という考え方が伝わってきますし、その目的は見事に果たされているようです(自然と共存する姿勢)。
 江戸時代(1787年)に農業用水のため池が作られ、戦後(1950年)になって公園として整備されます。
 付近の丘陵地には、古墳(6世紀ごろ)が点在しているそうで、詳細までは分かりませんが、鶴見川を挟んだ夢見ヶ崎(4〜7世紀)や、多摩川を挟んだ田園調布(4〜5世紀)の古墳と同じ様な環境条件だったと思われます(川や低地は海や湿地だった時代)。

 右の彼らはザリガニを捕っているようですが、ほとりには「生態保護のため外来魚・ザリガニを駆除しています」の看板があります。
 現在日本に見られるザリガニのほとんどはアメリカザリガニ(マッカチンの別名は方言ではないよう)で、1927年(昭和2年)の移入当時はウシガエル(食用ガエル)の餌用に持ち込まれるも、逃げ出したわずかな個体の勢力は、1960年頃には西日本を征服したそうです。
 またマヌケなことに、食用とするはずのウシガエルも逃げ出し、アメリカザリガニ同様全国に広がり「ブオー、ブオー」の鳴き声が、静かだった田園の騒音公害となりました。
 ガキのころ捕りにいった沼は埋めてられ宅地になったので、そこに生息していたヤツらは駆逐されたと思いますが、釣果を持ち帰った家中が臭くなり「もう捕ってくるんじゃない!」と、関心まで駆逐された記憶があります。
 すぐ捕れるから楽しいのは分かるけど、捕ってもお母さんに迷惑がられるだけと言っても、聞く耳を持たないよね。
 それも、これも少年期に必要な経験だとは思うのですが……


 左は高圧水を噴射させ掃除をしている「虹おじさん」ですが、意外と人気ありません(関心を持っているのはわたしだけ)。
 彼が掃除している石像は、狛犬のようですが普段見るものと様子が違います。韓国の狛犬のようで、やはり門前に左右対で置かれてあります。
 ここは公園内の「コリア庭園」で、1990年神奈川県と韓国京畿道(キョンギド、けいきどう:特別区のソウル、仁川を除いた周辺の行政区)との友好提携記念の際に造られました。
 前回訪問時を振り返っても何も印象に無いと思うと、カメラを持ってないと関心の対象範囲が狭くなっていたのかも知れません。


 まだ韓流ブームは続いているのだろうか?
 韓国映画やドラマ好きの方には「この戸を開けてヒーロー・ヒロインが現れそう」と感じるような障子戸ですが、日本の格子状の障子戸に比べると、とても複雑な模様を描いています。
 模様の種類は多くデザインのようなので、特に意味は無さそうです。
 日本の障子は室内側に桟を隠しますが、韓国では外側に桟を見せようとしています。日本では外から真っ白に見せたい、韓国では桟の模様ディスプレイしたい(目立つよう太い木材を使う)という、建物デザインのコンセプトの違いから生じたと説明されると、すんなりと納得してしまいます。
 確かに日本家屋において「白」は重要な存在に感じられます。柱や壁が年々くすんでも、障子の白は毎年はり替えられるので、その建物が生きている証しのようにも見えます。


矢上川合流地点(Map)


 ここは、鶴見川の支流である矢上川との合流地点になります(右が鶴見川、左が矢上川、正面が河口方面)。
 河口からここまでの川岸は全部コンクリートで固められており、この付近ではじめて河川敷のような「土や植物」に出会えます。
 象徴的な木が立つ河川敷のテラス(その下はコンクリートで固められている)では、親子連れが走り回っています。
 河川管理の観点からはとても狭いスペースですが、家族で走り回るにはちょうどいい広さなのかも知れません。何度も行ったり来たりしているので、あまり広いとお父さん、お母さんはバテてしまいそうです……

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