2008/07/23

金網の向こう側──ズーラシア、米軍施設

2008.7.19-20
【神奈川県】

 動物園が続きますが別に人間嫌いになった訳ではなく、実家(相模大野)行きに便乗した企画を考えたらこうなってしまいました。
 ズーラシアへはJR横浜線・横浜市営地下鉄の中山駅からバスを利用します(相鉄線の鶴ヶ峰などからもバス路線あり)。
 ちょうどいい機会なので、08年3月に開通した横浜市営地下鉄グリーンライン(日吉〜中山)に乗ってみました。連休初日の土曜で、ショッピングモールや映画館などのあるセンター南・北駅で降りるお客さんが多かったのですが、そもそも「センター」って何でしたっけ?
 ──港北ニュータウンの中央地区(タウンセンター地区)にあたるそうです。多摩センターと同じだなんて言うと、将来に不安を感じちゃいます?
 横浜市の構想では、前述の2つの駅間は以前から運行されている市営地下鉄ブルーラインと2本の鉄道が並んで走る、まさに港北ニュータウンの中心地に位置づけられています。
 以前映画館に足を運んだとき、いまどきデパートの屋上に観覧車とは珍しい! と思っていましたが、関西で「回転するものが好きな土地柄やなぁ」と感じたとき、真っ先にここの観覧車を想起しました「そうや、港北の観覧車も阪急デパートやった!」。
 ──別に阪急グループに対して悪口を言うものではありません。

 地下鉄関連でもうひとつ、同じ市営地下鉄なのに何で規格が違うのだろう? と疑問に感じました。
 古いブルーラインは、丸ノ内線・銀座線のように線路脇から電気の供給を受ける方式なのに、新しいグリーンラインは屋根上のパンタグラフから電気を受ける方式となっています。
 お金は掛かるでしょうが、後者の方が汎用性もあり他社線との乗り入れ等が可能になるので、設計にも開放的なビジョンが取り入れられたということなのでしょう。これで、ブルー・グリーンラインが相互乗り入れできたりするとスゴイと思ってしまうのですが……
 これも、横浜市の歴史の古さを物語っているのかも知れません。


 ズーラシア(よこはま動物園)


 何で夏に動物園に来るかなぁ?
 ──前回来たときも、子どもたちが水の流れ落ちる壁で涼を取っていたこと思い出しました……
 コンセプトとして「生息環境に近い空間の再現」を掲げるので、動物たちの運動スペースは広く、木々や岩陰などが設けられているため、そこに隠れていたら目にすることもできないという動物園(?)で、「どこ、どこ?」と探すのがしんどい方には向かない施設かも知れません。
 ましてや暑いですから、動物たちも動き回るものはそれほどいません。だから空いているんですがね……


 開園が1999年で当初はかなりの人出がありましたし、さまざまな意見・要望が取り入れられているようで、見て歩いていても以前ほどのストレスを感じることなく回ることができたと思います。
 運動スペースだけではなく、室内スペースを見ることができるようになったこと。
 表に出ている時間帯の表示を掲示してくれたこと。
 これでかなり観る側でペースを考えられるようになったと思います。
 そして、周囲の木々が大きくなり日陰が増えたおかげで、ひと息つけるようになったことでしょうか……

 右写真が開園当初からの人気者の「オカピ」で、ジャイアントパンダ、コビトカバ(知りませんがな!)と世界三大珍獣と言われているそうです。
 体の模様からシマウマの仲間かと思ってしまいますが、キリンの仲間なんだそうです。
 開園当時からすると園内は結構広くなった印象で(まだ拡張中だそうです)、全部回ると2時間程度はかかり、終盤に差しかかるとみなさんバテ気味のようで、合い言葉のように「あと、オカピ観て終わりね」の声があちこちから聞こえてきます。
 前回訪問時も狭い敷地内の最後あたりにオカピ舎が位置していたのですが、現在は広くなった敷地の最後のあたりに移動しています。
 これは見事な演出で、見学者は最後の力を振り絞ってオカピを目指して歩んで行きます(子どもたちはそこからダッシュの元気さですから……)。
 ずいぶんと楽しめる動物園になってきたと思えますし、また来ようと思っておりますが、次回はすこし涼しい時期に来たいものです……


 キャンプ座間(米軍施設)

 在日アメリカ陸軍司令部が置かれており、米軍では「リトルペンタゴン」の通称で呼ばれているそうです。
 ──若いころ、施設内のレストランでアルバイトをしたことがあり、もらったチップで自販機からBillboard誌を入手できたのがとてもうれしかったこと思い出されます。
 こちらに戻り神奈川新聞のサイトで「在日米軍キャンプ座間からのゴルフボール飛び出し問題」についての記事を目にしました。
 相模原市において米軍施設は、ほかの一般企業の工場や、プロゴルフツアーも行われるカントリークラブ等と同じ扱いであると思えることに、「時折ヘリコプターが飛んでくる」くらいの「問題のない施設」としての認識を浸透させようしているようにも感じられ、とても落胆させられた思いがしました。
 平和ぼけの実態と言いましょうか、もちろん戦争も起こらず(このままであり続け)市民にも特段の問題が及ばなければいいのでしょうけれど……

 金網の向こう側は米軍施設のゴルフ場なのですが、どうも頻繁に日本語が聞こえてきます。
 日本人立ち入り禁止ではないので、ある程度理解できますが「この暑い中をプレーするのは日本人だけ」とか言われながらも「特権、特権!」などというやからがいたとしたら、「米軍施設のゴルフ場不要論」が出てきてもおかしくないと思うのですが、いかがでしょう?
 ──すんごく広い敷地です。


 厚木基地(米軍施設)


 この日、もしくは行った時間帯に飛行訓練は行われていませんでした。
 ここは自衛隊も遠慮がちに使用していますが、米軍のジェット機は昼夜問わずに我が物顔で任務の遂行(訓練)に励んでいます。
 確かに沖縄の嘉手納基地(あんなのあり得ない!)と比較すれば軽度と表現されるかも知れませんが、あの轟音が繰り返されるうちに「落ちて来やしないか」と身をすくめることが頻繁に繰り返される場所を、住宅地と言えるのか実際に現地で体験してもらいたいという気持ちはあります。
 小学校の校庭での朝礼が轟音で中断したこと。中学校のとなりにあった米軍病院に降り立つヘリコプターの異常音が聞こえて「落ちた?」と窓からのぞいたこと、等々……
 ガキのころは周囲に当たり前にあった事象なので、ありのままに受け入れるしかなかったのですが、どう考えても尋常な状況ではないと思えます。
 確かに以前に比べれば(ベトナム戦争当時)周辺からきな臭さは遠ざかっているように感じられますが、身近で感じなければよし(山口県岩国市に訓練場を移設する案もある)という問題ではないと思われます。
 国防は必要なことですから、どのように必要最低限の国防力を適切にまた均等に配備できるか、について国民がみんなで考える必要があるように思います。


 相模補給敞(米軍施設)


 上写真は米軍施設を取り囲む金網の、市民の最も有効な利用法だと思っています。
 ──沖縄普天間基地の周辺にもあり、そこも小さな畑になっています。
 勝手なイメージとしては、基地を取り囲む金網を草木が覆い、周囲から基地内部へ緑が浸食していくというものですが、夢物語に過ぎませんね……

 金網で囲われる場所は、それによって内部を守る必要があるから隔離されるのだと思われます。
 ──猛獣たちも野放しにしたら、すぐに駆除されてしまいます。
 以前もどこかで書いた気がしますが「軍隊は軍を守るために存在する」という言い分については、臨戦時等では理解できる面もありますが、平穏な市街地の中で、盗まれたら困る機密や武器などを守るために金網を張り巡らせるのは、正しい方法とは思えません。
 土地が無いのは理解できますが、きちんと隔離可能な(原発のような立地)場所を確保して(場所を明らかにする必要はないが)、維持のためにこれだけの予算が必要であることを国民の理解を得て、国防とすべきではないかと思います。
 否決されたなら、それも国民の意思なわけですから……

0 件のコメント: