2010/02/15

「みらい」の作り方──みなとみらい

2010.2.6
【神奈川県】

 冬季五輪バンクーバー大会が始まりました。
 大会前のインタビューや、開会式の入場行進でとても目を引いたのが、スピードスケートの岡崎朋美選手の、精悍(せいかん)な表情です。
 以前「朋ちゃんスマイル」と取り上げられた笑顔は、現在もすてきですが、思いを語るときの目には、獲物を狙うような鋭さや迫力が感じられます。
 近ごろなかなか感じることのない「カッコ良さ」だと思いました。
 冬季五輪は往々にして、不完全燃焼で終わってしまうので、応援しましょう。


 みなとみらい(Map)

 みなとみらい地区で最もにぎわうのが、ランドマークプラザ(タワーの低階層部分)や、みなとみらい駅直結のクイーンズスクエア周辺になります。

 「さっきと違う人がやってる」という子どもの声が聞こえました。
 これは、JR桜木町駅反対側の野毛地区で開かれてきた、「野毛大道芸」という催しの流れと思われますが、ウォーターフロント地域にも定着しました(山下公園でもやってます)。
 この辺りではドック跡付近と、アット! 付近で行われ、スケジュールも決められているようで、組織的な芸人集団みたいです(ヨコハマ大道芸が近い気がします)。
 野毛大道芸とは違うみたいですが、イベントの開催日(4月17〜18日)は、野毛のイベント開催日(4月24〜25日)に近く、海外(遠方)からの参加者への配慮として、調整しているようです(両方に参加する方もいそうですね)。

 みなさん芸はもちろんのこと、口も達者なので、いっとき彼らに付き合ってみても楽しいかと思います。
 最後には、観客を含めた小さな輪の、一体感を味わうことができます(上写真では、観客の女性が参加しています)。


 パシフィコ横浜(国際会議場・展示ホール・ホテルの複合施設)には、展示会見学に何度か足を運びましたが、中でも「ロボットの展示会」がとても印象に残っています。
 ちょうど、ASIMOや踊るロボットが注目されたころと思います。
 まるで子どものように、口をあんぐり開けて見入った当時の夢は確実に進化していて、近ごろではパワースーツのような援助ロボットなど、身の回りでとても役立ちそうなものが増えてきました。
 いまどきのロボットを見たくなりました。きっと、スゴイんだろうな〜。
 上写真は屋根上の構造物(排気口等)。

 みなとみらい地区の建造物(特に海側)には、「壁や柱の外装は白を基調とする」等の取り決めがあるように見えます。
 近ごろのはやりはこの地区でもトレンドなのか、ガラスを多用した建造物が目につきます。
 建物内に太陽光を取り込めるので、明るくエコなイメージがありますが、夜や冬場は冷気が伝わるので、空調効率は悪くなります。
 外観でも、窓ガラスに反射する太陽光を、とてもまぶしく感じることが増えました。
 TVドラマ『ガリレオ』ではありませんが、ガラス張りのビルが隣接する場所では、合わせ鏡のように光が反射して、火のないところに火事をおこしたりするのでは? と思ったりも。
 このガラス窓が、太陽電池になればとってもエコなんですがね(もう、研究してるんだろうなぁ)。
 でも、大地震で割れたガラスが落ちてきたら大変ですから、それを含めて研究願います。

 不謹慎に聞こえるかも知れませんが、最新の耐震・免震技術で建てられた建造物も、一度大地震や長周期振動を経験して、その被害評価を見てみないと、信用できるものではない、と考えています。


 手前はぷかり桟橋といって、浮きさん橋の上に建造物をのせたもので、2階はレストランになります。
 昼間はシーバス(右下)の乗降客程度で、閑散としていますが、夜景を眺めながらのディナーが人気なのかも知れません。
 隣接するホテルの宿泊客向けでしょうか、ここから屋形船も出るそうです。
 ナイトスポットのようですが、夜景撮影はしばらくやめときます……

 そうそう、この付近(パシフィコ横浜、臨港パーク)の警備員は、セグウェイに乗ってパトロールをしています。
 2001年発表前の「ジンジャーって何だ?」という騒ぎが懐かしいところですが、全然売れてないようです。
 公道は通行できませんが、公園内は思いっきり走れそうですから、乗ってみたいと思ったりします。
 それも、この一帯がバリアフリーだから、導入できたことになります。
 施設設計の思想には大切ですし、将来(みらい)を見据えていたと言えるのかも知れません。近い将来、ロボットが巡回しているかも……


 海に面した臨港パークで、久しぶりに落ち着く絵に出会えました。この地区の中では最も身近な「みらい」を感じさせてくれます。
 寒い季節なので人出は少ないですが、隣接するクイーンズスクエアとは客層がガラリと変わって、ローカル色が強くなります。
 先ほどはネガティブなことを書きましたが、お父さんの勤め先が東京・横浜近郊であれば、通勤圏ですし、買い物にも便利です(スーパー等は未確認)。
 休みの日に子ども連れで海(横浜港ですが)を眺めて過ごせるのですから、不動産会社の売りとしてはかなり上位ランクと思われます。

 観光客の集まる場所はごく限られていて、点(クイーンズスクエア、ワールドポーターズ、赤レンガ倉庫)から線(その間だけは人の流れが多い)にできても、面にすることは難しい(海沿いは閑散としている)ことを実感しました。
 だから自治体には、企業や住民を増やそうとまい進する姿勢が必要なことも、理解できるところではあります。


 かつてこの地で「横浜博覧会(YOKOHAMA EXOTIC SHOWCASE '89 : YES'89)」が開かれたことを、先日の横浜みなと博物館で知りました。
 「開国博Y150」とは比べものにならない大規模な催しで、横浜市制100周年、開港130周年の記念だったそうです。
 埋め立てという事業には、計画から完成まで長い年月と巨額の費用がかかります。社会情勢が変わっても、造っちゃったものは、元を取るために高く売る必要があるので、宣伝のための博覧会とも思えます。
 たとえ土地が完売したとしても、計画当時とは求められる住民サービスのレベルが違うので、その対応にお金が必要になりそうです。
 また、いまどきの庶民が抱く「みらい」を考えると、「必要なモノ」を並べても人は集まらず、「欲しいモノ」を提供する必要があるように思います。
 「エコ」を口にする庶民の、欲しがりすぎる「エゴ」を、どうコントロールすれば、地域や社会の「明るいみらい」を築けるのだろうか?
 まだ、そこに潜んでいるビジネスチャンスとエコライフの扉は、開かれていないような気がしています……

 機を逸して書けなかった山下臨港線ですが、YES'89の旅客輸送で、日本丸駅(現展示場所付近)〜山下公園駅に気動車が運行されたそうです。
 本貨物線は、山下埠頭(山下公園東側)造成に伴い、横浜港駅(赤レンガ倉庫前)〜山下埠頭駅間に建設されました(1965年〜2000年撤去)。
 ガキのころ、山下公園脇の高架軌道が遊園地の乗り物のように見えたのでしょう、「乗ってみたいなぁ」と思ったことを、まだ覚えていたりします。
 現在の、赤レンガ倉庫から山下公園への高架の歩道は、軌道跡を整備したものになります。


 日産本社が移転(2009年)してきた付近(横浜そごうの近く)に、横浜駅方面とを結ぶ橋が架けられたので、横浜駅側からみなとみらい方面へのアクセスが、とても便利になりました。
 それに先立つ2007年に、Jリーグ横浜F・マリノスの本社・練習施設であるマリノスタウンがオープンしました。
 この付近では週末になると、ユニフォーム姿の集団(子どもから大人まで)をよく見かけます。
 グラウンドが結構オープン(ネット越しに見える)なので、広々としたグリーンを外からも共有でき、天気のいい日には眺めるだけでもリフレッシュできそうです。
 ちょうどこの日は、ファン感謝デー的な催しがあったようで、壇上には選手と思われるメンバーが、志村けんが着るような白鳥の衣装で並んでいます。
 そんなサービスより、勝たなくちゃ!
 近ごろ低迷してるんじゃないの?

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