2008.11.26
【神奈川県】
江の島(Map)
※藤沢市の正式表記は「江の島」で、湘南モノレールの駅名は「湘南江の島駅」ですが、「江ノ電:江ノ島駅」「小田急江ノ島線:片瀬江ノ島駅」「新江ノ島水族館」との表記もあり、後述「江島」の他に「江乃島」「江之島」「柄島」「絵島」との表記もあったそうです。歴史が古いのか、いい加減なのか?
日本語の表記・表現には多様な可能性があるから「守ろう」とする必要があるのかも知れません(でも変化していくものと思うのですが)。
関東方面(神奈川だけ?)では、道の狭い参道の両側に土産物屋が軒を連ね、いつでも祭りの縁日のように混雑して、思うように歩けない状況を「江の島みたい」と表現することがあります。
これ、誰に教わった訳でもないと思うのですが、自然と口から出てくる方便(実感)みたいなもの、と言えばいいのだろうか。
何で「関東」かといえば、同様に混雑している浅草寺の「仲見世みたい」は、今どきは外国人向けの土産物屋が見本市のように並ぶ場所の例えであると思われますし、成田山の場合はたたずまいがきちんとしてますから、例えに使われるようなことはないと思われるからです。
京都の清水寺や銀閣寺の参道で、おばさんの会話を耳にし「ホントよねぇ」と、返事しそうになったことがあります。
その表現を訳すと「雑多な」「混然とした」何でもありの場所に対する表現ですから、一緒にされた京都のお寺は迷惑かも知れませんが、わたしもそう思いましたもの。
いろいろ並べましたが、結局は神奈川育ちの勝手な思い込みかも……
しかしその江の島が、平日とはいえ上写真のように閑散として、自由に歩き回れる状況であるのには驚きました(少し前に開業した温浴施設「えのすぱ」が休みだったからか?)。
江の島人気も下降線か? とも思いましたが、そんな中を観光バスを何台も連ねた韓国からの観光ご一行様がゾロゾロ歩いてきます。
この季節は(修学旅行の季節でもありませんし)、首都圏の観光地でも海外からの団体客が大きな収入源なのかも知れません。
言い伝えによると江の島は天女降臨の際に生まれ、江島神社(と表記)は日本三大弁財天のひとつとされています(広島県宮島の厳島神社、滋賀県竹生島の弁財天と、この地)。
天女はこの地域の人々を苦しめる五頭龍(ごづりゅう)を静めるために訪れ、龍を改心させた後に結婚し、龍は死後に陸側の「龍口山:たつのくちやま」となり、江の島を見つめているとされています。
──龍口とは、日蓮が処刑されそうになった「腰越龍ノ口刑場」で、処刑が中止されたのはその龍のおかげとの言い伝えもあります。ガキのころそこに建てられた龍口寺(日蓮宗)で、除夜の鐘を突いた思い出があります。
片瀬海岸(陸地側の海岸)はたまに歩いたのですが江の島上陸は久しぶりで、リニューアルされた展望灯台(これは民間灯台では最大級なんですって)は初めて登りました。
以前あった展望灯台は、サンダーバード3号(宇宙に行くロケット)のような形状をしており、ガキのころはきっと「江の島はサンダーバード基地」だと思っていたことでしょう(そんな子ども結構いたのでは?)。
──昔の展望灯台は、戦時中に東京・二子玉川で「落下傘訓練塔」として使用されていたものを移築、「平和利用」したそうです。昭和26年開業ですからその資材運搬は船で行われ、山頂へ引き上げのためにわざわざインクライン(船を引き揚げる軌道)を設置したそうですから、かなりの大事業だったようです。新展望灯台の工事の時は、巨大な鉄塔を建てワイヤーを張って資材を運んでいました。
この日は快晴で風もなく絶景ではあったのですが、富士山方面だけは雲がかかっていて、ここのところ縁のない状況が続いてることもあり、ちょっと欲求不満気味です。
下写真は「釣りバカ四兄弟?」のような並びに見えません?
島の沖側の岩礁地帯には岩屋という洞窟があり、弘法大師や、源頼朝などが祈念したと伝えられています。
ガキのころの記憶では、後述のヨットハーバー付近から岩づたいに歩いてこられたように覚えていますが、落盤事故(死亡事故だったそう)から立ち入り禁止となったようです(釣りキチたちはめげやしませんが)。
岩屋は平成5年から再公開されたそうです。
何があるって? 洞窟の奧には、そりゃもちろん石仏やお堂がありますし、龍の声を聞くことができるんですから!(つっこみどころです、怪しんでください)
下までは300段くらいか? 数える習慣はありませんが、気を紛らす時にやりませんか? ゼェゼェ……(遊覧渡し船もあります)
右写真は、その階段を上がった所にある、奥津宮の鳥居の脚部分になります。
この鳥居だけは江戸時代の物が残されていると、ボランティアのガイドさんの言葉が耳に入りました。
龍or亀に関連する文様なのでは? と勝手に思っているのですが、その説明は聞こえませんでした。
あまり立ち寄らないと思われますが、江の島に向かう橋(江の島弁天橋)の左手に、見るからに利用料の高そうなヨットハーバーがあります。
保管されているヨットもまた立派なのですが、そんなのを撮るのもしゃくなので、上写真はディンギー(小型ヨット)が並んでいる区画の、それもマストだけにしました(ひがみ過ぎ?)。
ここは新江ノ島水族館で、今話題の「オワンクラゲ」(ノーベル化学賞受賞の下村 脩(しもむら おさむ)さんの研究対象:緑色蛍光タンパク質の発見)の幼生が展示されていると聞き、見てみたいと思っていました。
肉眼で見ることは出来ましたが、写真に撮ることはできませんでした。
成長すると20cm程度になるそうですが、見た目は1cm程度で暗い水槽にいたものですから……
もちろん(?)光っていませんでした(上写真はパシフィックシーネットル)。
前回この水族館に来たときにも、何が目当てか忘れましたが、展示場所が分からず係の人に聞いたのですが、今回も質問しようとした案内の方は、前回と同じ場所に立っていました(大きな水槽に向かい左側の柱の前)。
聞けば丁寧に教えてくれるのですが、展示水槽はネームバリューと比べてとても控えめな存在なので、あまりアピールもできず、仕方ないところでしょうか。
水族館で子どもたちのお目当てと言えば、イルカ&アシカのショーですよね。
前回も思ったのですが、ここのプールは狭すぎます(都内にも同様な印象を受ける施設があります)。
そんな場所では、ダイナミックなジャンプは見られないのではないか、と思っていましたが、夕日まで跳んでくれました。
ここでは「夕日をバックに」ってのが売りになるとは思われますが、この時間帯はそれ以外の細かなパフォーマンスが逆光で見にくいことは、ご理解いただけると思います……
この地はよく知った場所ということもあり(予定の場所で写真を撮り、計画通りの枚数におさまった)、まとまり過ぎてしまい意外性が感じられず、自分としては満足しておりません。
久しぶりの江の島はそれなりに楽しめたのですが、たまには遠くへ行きたくなってきました……
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