2019/02/04

まだまだ変わる──みなとみらい

2019.1.26【神奈川県】

 横浜税関(クイーンの塔が建つ)屋上が初めて公開される日で、帆船日本丸の係留ドックが水抜きされた様子も見たかったので、前回の勢いに乗って横浜へ!


横浜駅周辺

 久しぶりにみなとみらい地区を横断しようと横浜駅に降り立ちます。西口は駅ビルが工事中(2020年完成予定)ですが、海側は横浜ベイクォーター(右)周辺の再開発も10年前にほぼ完了し、大きな変化は見られません。

 渦中の日産自動車グローバル本社ギャラリーは普段通りに見えますが、2018年世界自動車販売台数2位となった日産自動車・仏ルノー・三菱自動車の3社連合のイメージは、世界的に揺らいでいることと。
 筆頭株主フランス政府の言いなりのルノー(仕方ない面もあるが)、弱みをにぎられたゴーンを保釈されたくない日産、まるで存在感を失った三菱、なんて評判もどこ吹く風で、三社とも成績にホクホクしているように。
 TOKYO FMのラジオドラマ「NISSAN あ、安部礼司」のあべフェスが明日開かれるように、宣伝キャラはターゲット層の心を掴んでいますが、それは会社の評判とは重なってないように……


みなとみらい地区

 日産のビルを出てあらびっくり! 新高島駅周辺にあった映画館等の建物が跡形もありません(隣接のウェディング施設も)。10年間の期限付き借地契約のため2015年に閉館したそうで、そういえばずっと前に「期限付きの借地なんだって」と書いた記憶があります(借り手側は10年で元を取れたのか?)。地主の横浜市は、周辺の開発も進み地価も上がったのでボチボチ売り時と考えているのか?
 以前マリノスタウン(グラウンド)があった場所(右)には、桜木町方面から移転する横浜アンパンマンこどもミュージアムが建設中で、2019年夏オープン予定(今度は30年の期限で借りるそう。背後は隣接のビル)。
 横浜市の、できるだけ高い値段で売りたい気持ちは分かりますが、作った建造物を10年で壊すってのはエコ志向の民意に反しますし、ヨコハマはG30(ごみゼロ)を目指していたはずと……


 着実に空き地が埋まり高層ビルが並ぶ様は、巨大な壁ではなく厚みのある山脈のようで、地盤が沈みそう、海風を遮断したことで内陸側に気温等の影響を及ぼしそうと思ったりするが、これからもまだまだ続くようです。
 ハンマーヘッドクレーンのある埠頭(右奥)では新港地区客船ターミナルが建設中で、そこにできる桟橋のホテルって受けそうと。完成すればクレーンの下まで気がねなく行けそうなので楽しみに。




 横浜開港(1859年:安政6年)から本格的な港湾施設建設が始まり、上は船の修繕用ドック(海水を抜いて作業するドライ・ドック)としてイギリス人技師の指導により竣工(1898年:明治31年)した第一号船渠(せんきょ:ドック)。直線部分には真鶴産の小松石(安山岩)を使用したそうですが、船首部分は曲線を描くためレンガ造りとされ、下は建設当初の姿が残されているように。100年以上使えるものを目指した丁寧さが、初めて対面する者にも伝わってくるようです。
 みなとみらい中心部で、全長204mのドック+97mの日本丸(現在修繕中)を維持管理することは大変な負担でしょうが、見事な遺産ですから残して欲しいと願っています。





 これが港を監視する目線の高さ! 港の門番たる税関の屋上からは、港が見渡せる必要があります(クイーンの塔には登れなかった)。船が大型化した現在は、隣接の神奈川県警察本部(20階建)から睨みをきかせているのかも。
 税関については、関税の徴収よりも、通関・密輸・銃器取り締まり関連のニュースが多いように、館内にも白い粉や動物の毛皮(ワシントン条約:絶滅の恐れのある動植物の国際取引を禁ずる)の取り締まりに関する展示が多く、知恵比べの様子がリアルに感じられます。
 戦後は連合軍総司令部に接収され、税関長室はマッカーサーが使用したそうで(一番奥右側の部屋)、米軍も利用した重要港ですから当然かと。
 税関のイメージキャラクターカスタム君は、ボテッとしてますが麻薬探知犬なので鼻は利くことと。初見のつもりでいたキャラを覚えてみると、町中で見かけることに気づきました……

2019/01/28

馬が似合う──横浜

2019.1.18【神奈川県】

 遠くなってしまったので、仕事にかこつけて少しハマブラを。
 みなとみらい線 馬車道駅から「ホースメッセ」が開かれる赤レンガ倉庫へ向かう道で目にした、帰路の方が持つ馬の絵柄の袋が町の空気感にフィットする様に、馬が似合う町という側面もあるのかと。




 イベントも3回目となり、ようやく馬たちを連れて来られるようになったので、馬見物にと初めて足を運びます。
 以前は、ゴールデンウィークに馬事公苑で開かれるホースショーが馬のお祭りでしたが(競馬は別)、TOKYO 2020に向けた改修工事中で開催されないため、民間主導で立ち上げたイベントになります。
 馬が歩ける馬場の整備、会場・厩舎の準備に加え、馬を運ぶ専用のトラックが必要ですから、内容はともかく(?)馬を赤レンガ倉庫に連れて来ただけでも賞賛に値すると(JRA馬事公苑、馬の博物館の協力のおかげ)。

 右は、馬の画家 長瀬智之氏が会期中に描きあげる予定の、ライブドローイング2日目の様子。おしゃべり好きらしく、ヘッドフォンをして抑えているようです。




 上の横浜税関 クイーンの塔はイスラム寺院風のドームとされるように、こうして見ると海の道はシルクロードと繋がっているように感じられます。横浜港は生糸(シルク)の輸出で発展し、明治期の終わりに日本は世界一の生糸輸出国となりましたから、税関も立派にする必要があったようです。横浜三塔(キングの塔:神奈川県庁本庁舎、ジャックの塔:横浜市開港記念会館)の中ではもっとも高く51mあります。
 横浜税関160周年記念イベントで塔下の屋上を初めて開放するらしく、高い場所から象の鼻や大さん橋を眺めたいので、その際には是非!


 人影が見えた途端にカモメが騒ぎ始めるというか、周辺で待ち構えるように見え、カモメたちの「待ち人きたる」の光景。
 港でのカモメへの餌やりは定番のように感じますが、山下公園での餌やりは禁止だそうで、ここ象の鼻も禁止にせよとの苦情があるらしい。山下公園や氷川丸周辺で観光客が楽しむのは仕方ない気もするが、大さん橋や赤レンガが糞害で白くなったら困るのも確かです。


 上は大さん橋ホール野外イベント広場の座席かも知れないが、ここは横浜、やはり以前の船着場にあった雁木(船の大小に対応する設備)を想起するのが正しいのでは。
 桜木町に係留される帆船 日本丸修繕のためドックから水が抜かれているそうで、そこでもこんな構造が見られることと(足を運ぶ時間がなかった…)。
 大さん橋は両側のバースに着岸が可能で、船が不在時は港をぐるりと見渡せる開放感がたまらず、横浜訪問時には立ち寄りたくなります(船を眺めるのも楽しい)。
 室内の床や屋上はウッドデッキのため直線的で細かな起伏は多いが、傾斜が緩やかなため全体としては曲線的なシルエットに見えます。この見事なデザインは、横浜出身の隈 研吾(新国立競技場を設計)さんではなく、イギリスの設計事務所によるそう。


 横浜にはいつもイベントが開かれているようなイメージあります。島国人にとっての港は、海の向こうからやってくる人やモノの玄関口のため、来訪者をもてなそうとする港町気質がイベントを呼び込んでいるようにも。皆、商売としても楽しげに見えます。
 2019年4月クイーンエリザベス号の大黒ふ頭寄港(ベイブリッジを通れない)にあたり、10年に閉鎖された横浜スカイウォークが復活するとのこと。
 車がないと不便な場所ですが、展望施設からクイーンエリザベスを眺めてみたいと。
 横浜スタジアムはスタンド増設の改修工事中で、周囲の公園は資材置き場とされ立ち入れません。増設後も満員となるよう、ベイスターズも頑張らないと……
 右は赤レンガ前(恒例)の特設スケートリンク。