2008/09/30

川崎大師くらいでしょうか──川崎市

2008.9.19-23
【神奈川県】


 関東地方では一気に上着が欲しくなる陽気となりましたが、しばらくは気温の変化が激しいと思われますので、体調管理にはお気をつけ下さい。
 年をとるほどに「敏感肌」「デリケートなお肌」化が顕著に現れていて、湿度が下がった途端に肌が反応し始めました。
 お肌のうるおいが失われてきているとは、カサカサ肌をポリポリかいているということなんですが、でもこれって切実なんですよねぇ。

 横浜もだいぶ回ったので、ボチボチ現在住んでいる川崎市を紹介しようと考えたのですが、何にも無いことに気付かされました。
 名前を挙げて通じそうなのは、川崎大師、サッカーファンならフロンターレくらいでしょうか。
 これも有名な工場地帯は国を支える役割を担っているのですが、排気ガスや公害等のマイナスイメージがつきまとってしまうので、住民としては微妙なところです。
 高度成長期からは格段に改善されているとは思っておりますが……
 しかし身近で感じるイメージダウンの象徴と言えるのがJR南武線です。
 週末には、競馬新聞を広げ赤ペン(or 赤鉛筆)を握りしめた客層が多くて、特に立川方面の電車では閉口したことがあります。
 川崎には競馬・競輪、多摩川には競艇、府中には東京競馬場、立川には競輪等のある駅をつなぐ「ギャンブル電車」ですから、関心のない乗客には憂鬱な時間になります。
 東京の周縁地域に散在する(都心には置いておけない)ギャンブル施設ですから、庶民にも自治体の税収にも必要なのかも知れません。
 わたしも含めてギャンブルをしない人たちが、何とかならないか? などと要望しても難しそうです。
 ──赤ペンで丸印を書いたような外装のギャンブラー専用車両を、開催日限定でも設置してもらえないでしょうか?

 上写真は、JR川崎駅北口にあった東芝の広大な工場跡地の再開発で建設された、大規模商業施設「ラゾーナ川崎プラザ」です。
 いつもはこの手の商業施設を「没個性的でどこの町だか分からなくなる」と批判的なのですが、ここに関してはこれまでの川崎のイメージを払拭するためにも、明るさをアピールしてもらいたいものだと思っております。
 写真のにぎわいはスターダストレビューのライブの様子ですが、既に新しいイベントスポットとして注目されているようです。バカ殿(志村けん)も来て盛り上がったそうです。
 やれば出来るじゃないか、川崎も。


 川崎大師

 神奈川育ちのわたしは「厄除け=川崎大師」のような固定観念としてすり込まれているので、「大師=弘法大師」という認識を持たぬまま厄除けのお祓いを受けに来たような気もします(行けばいいんでしょ、の気持ちじゃダメですよね)。
 1128年の建立だそうですから、平安時代末期という時節になります。弘法大師空海は835年に入定(肉体が即身仏となるための修行)したので、建立は弟子たちの手によります。
 この寺の縁起(起源)も関東らしく(?)、海から引き揚げられた像をご本尊としているそうです。浅草寺も同様のようですが、真相についての言及はいたしません。
 確かに起源も大切ではありますが、900年近く続いてきた人々の信心が大切であることが伝わってくるたたずまいです。
 そんな文化に身を委ねることで、身近な社会とのつながりを担保できるのであれば、見事な仕掛けであると思いますし、先人に倣おうと納得したのだと思います。
 門の巨大ちょうちんには「魚がし」と書かれてあるそうです。
 ご本尊を引き揚げたのが漁師であったことから、魚河岸で信仰が広まったという経緯だそうです。
 創建当時、辺境の漁村であったころの面影をしのばせる、ほのぼのとした逸話に感じられます。


 上写真は境内にある聖徳太子堂に貼られた千社札(せんしゃふだ が正しいそうです)です。
 京都では「千社札禁止」ですから、久しぶりに見た気がして調べてみると、左側にある木の札がもともとの姿なんだそうです(接着剤には何を使ったのでしょう)。
 どんな意味があるのかと思っていたら単なる参拝記念だそうで、目立つ場所への落書きは、昔から変わることのない非社会的な自己顕示欲の表現手段のようです。
 右に見える紙の部分がはがれて墨の文字だけが残ることを「抜け」と言うんだそうです。
 これは想像ですが、江戸の文化では貼られた数で人気ランクを競ったりしていたかも知れません。


 上写真は川崎河港水門の上にある、以前の特産品「梨・桃・ブドウ」の彫刻だそうです(ブドウ以外よく分かりません)。
 そういえば、むかしの南武線沿線には梨や葡萄畑が広がる景色がありましたねぇ。ガキのころに多摩川沿いに梨狩り(もぎ?)に来た記憶があります。
 小学生時代に「京浜工業地帯」と習ったころ、内陸部にはまだ果樹園が広がっていたんですよね。
 何かとてもホコリっぽかった印象がありますが、大気汚染のイメージよりはよかったのではないでしょうか。


 多摩川

 多摩川というと何か「東京のモノ」というイメージがあります(源流は山梨県で、流域のほとんどが東京都に接しているのは確かです)。
 下流域では、東京と神奈川の都県境を流れているので共有しているはずだと思うのですが、川に接する町のイメージに負うところが大きい気がします。
 京浜東北線の蒲田 vs 川崎ではドロー(勝負不成立)ですが、東横線の田園調布 vs 武蔵小杉や、田園都市線の二子玉川 vs 溝ノ口ではその差は歴然ですから、仕方ありませんね……
 右写真は二子玉川付近で、東京側の河川敷はバーベキュー禁止ですが神奈川サイドはOKとのことで、二子玉川で(高級?)食材を購入してから、橋を歩いて渡り神奈川県の河川敷でバーベキューをして、神奈川にゴミを捨てて帰るグループが多く、問題になっているとのことです。
 笑っちゃうのが神奈川の対応策で、ゴミ集積所を作ったんだそうです。お人好しというか、釣りの入漁料のようにお金を取ればいいのに! と思ってしまいます。
 東京近郊でバーベキューOKを出している河川敷なのですから、きちんと自治体等が管理して、器具のレンタルを含め高級食材(少々高くても文句言われないって)を提供できれば、手ぶらで行けるバーベキュー施設として人気が出ると思うのですが、いかがでしょうか?

 右写真は、小田急線登戸近くにある二ヶ領上河原堰 (にかりょうかみがわらぜき)付近の「二ヶ領用水」取水口付近になります。
 ──1974年の台風時に、この堰に流れを妨げられた水流が東京側の堤防を削り取り、家が流されてしまうというショッキングな映像がテレビで中継されていました。後に「岸辺のアルバム」というドラマの題材に使用されましたが、もう覚えている人は少ないかも知れません。

 二ヶ領用水はもともと農業用水でしたが、現在では地域住民の憩いの場という役割がメインかも知れません。
 家の近所まで流れてきており、桜や梅の並木が続くいい散歩道なのですが、源流が多摩川ですから水質はご想像の通りです。
 途中、久地円筒分水(くじえんとうぶんすい:水利争いを解消するための分配施設)付近で水路が立体交差しています。
 その仕組みには驚きの声を上げたのですが、湧き出ている水質がもう少しキレイだったら紹介できたのに、と……

 大阪の高槻に転居するまでは川崎市の武蔵小杉に住んでいましたから、Uターンになります。
 高槻よりこちらの方が、シャワーのお湯が目に染みない気がします。あちらの水源は琵琶湖〜淀川から(と思う)ですから、薬品をたくさん使っていたのではないだろうか。
 調べてみたら、横浜・川崎の上水道は神奈川県の水道事業により、相模川・酒匂川水系から取水しているとのことです。
 てことは、東京都よりもきれいな水かも知れません(ちょっとうれしいかも)。

 「川崎のイメージそのままじゃん」と納得されるような悪口ばかり書いてきましたが、交通の便の良さと物価が安いことは生活拠点としての利点だと思います。
 日本一儲けている東急電鉄の宣伝をしても仕方ないのですが、渋谷、恵比寿、目黒、横浜まで20分程度で行けますし、数年後には新宿まで直通で行けるようになります。
 JR横須賀線の駅が開業すれば、東京までも20分程度、鎌倉(? わたしには重要だったりします)までも40分程度で行けるようになると思われます。
 この地域では差別につながる意識は無いと思われるので使いますが「川向こう」(対岸の田園調布から下に見られていることを理解できてないだけ?)に住むことを受け入れられるならば、東京圏に通う庶民が暮らすには便利な場所と思われます。
 ──とは言え結局は、ご想像の通り特に好きなわけではありません……

P.S. 生田緑地をここに収めるつもりでしたが、結構撮ってしまったので別枠にしようと思います。

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