2008/09/15

実りの季節──寺家ふるさと村、こどもの国

2008.9.10-13
【神奈川県】

 寺家(じけ)ふるさと村


 ここは寺家(じけ)町という地区で、横浜市の北端と東京都町田市のちょうど都県境付近にあたり(この辺りは横浜・川崎・町田市の境界が複雑に入り組んでいます)、山を含めた一帯を昔の姿のままで保存している里山公園的な地域になっています。
 ここは横浜? と思われるかも知れませんが、横浜の開発未着手地域にはまだまったりとできる場所が点在しています。
 近ごろでは里山を公園として活用しているところを多く目にしますが、これだけの田んぼを残して稲作を継続させているところは、この近くにはないと思われます。
 公共的な施設ですから人を集めるには必要なのでしょうか、一画には研修施設、陶芸教室やテニスコートまであったりします。
 ここは、谷戸(やと)といわれる小高い丘に挟まれた谷筋のあまり広くない土地に、地形に沿って田んぼが区割りされています。
 それぞれの谷の一番奥にはかんがい用水のため池が作られていています。かんがい用水はそれぞれの谷筋に沿って流れていきますから、とても理にかなった構造になっています。


 先週までのまとわりつくような夏の空気ではなく、カラッとした秋晴れのもとなので、少々汗ばんでも心地よく感じられます。
 そして実りの季節とくれば「おいしいお米が食べられる〜」などなど、表情がゆるんできてしまう時節の到来です。
 旬を楽しむことに異議をとなえるつもりは毛頭ありませんが、季節感をどうしてこう食に結びつけてしまうのでしょう……(確かに京都では、年間を通じて楽しもうとする文化がはぐくまれていました)
 年に一度の楽しみですものね! サンマはもういただきました。


 前回訪問時に、次は田んぼが黄金色に染まるころに来たいと思っていて、この日は収穫期をむかえた区画から刈り取りが始まったようで、タイミングとしては良かったと思います。
 谷戸という地形上、大した傾斜ではなくても斜面に対して小さな段々になった田んぼが続いており、少しずつ収穫期がずれているようなので(意図的にずらしているのかも知れませんが)まだ2週間程度はこんな光景が見られるのではないかと思われます。
 天気のいい日には、散策などにいらしてみてはいかがでしょうか?

 ※東急田園都市線 青葉台駅より 鴨志田団地行きバス 終点より徒歩3分程度。


 こういう写真に文章をつけていると、内容までやわらかくなっていると感じられるところがいいですね。

 などと書いた後ですが、残留農薬やカビの含まれる輸入米を見つけた段階で輸出国に送り返すことは出来ないのだろうか?
 海外に毒入り食料を輸出してオリンピックを開催した国。国民に毒を食わせておいて、これは別の話と総裁選挙で支持を訴える国。
 ギョーザの件も含めて問題が発覚しなければ、誰が私腹を肥やそうが、どこの誰が腹を下そうが「よきにはからえ」では、どちらの国も「非文明国」としか思えないのですが……


 こどもの国


 前述のふるさと村と尾根を挟んだ反対側に広がる、公園施設です。
 ──ここは以前日本軍の弾薬庫だったそうで、園内には閉鎖された壕の跡が多く見られます。園内に2つあるトンネルは弾薬輸送鉄道用だったそうです(現在東急こどもの国線)。

 ここのグラウンドではもうスポーツの秋が開幕しています。少年サッカーの大会が開かれており、上写真の彼らは試合前のウォームアップをしているところです。
 いまどきの応援設備というのでしょうか、木陰に置かれた子どもたちのスポーツバッグの横に、背もたれ付きの折りたたみイス(映画監督のイスと同じ形状)がズラーッと並んで置かれています。
 そのチームは試合中だったようで、周囲には誰もおらず様子はうかがえなかったのですが、あのイスには、誰が座るんだろうか?
 もし子どもたちが座って足のマッサージなどをしてもらうようであれば、そんな光景に出くわさなくて良かった気がします。
 将来を有望視される少年たちなのだろうか?
 わたしは野球少年でしたが、みんな地面に座って休んでいましたもの。

 右上写真は白鳥湖(人工池)のほとりです。
 いまどき柵のない水辺というのは珍しいのですが、親が同伴している前提であれば危機意識を学ばせるためにはいいのでは、とも思えましたが、落ちるこども結構いるんだろうなぁ〜。
 彼女は、もちろん飛び込もうとしているわけではなく「池の水が汚れるのでコイにエサをあげないでください」の注意書きに従い、落ち葉をエサに見立ててコイを呼び寄せています。
 これでいいのだろうか? の思いはありますが、オレたちもガキのころそんな風に身近な生き物たちと接し、学ばせてもらいましたもの。ホント、ゴメンナサイね……

 この日の目的は、鮮やかな緑の中で駆け回る子どもたちを撮ることだったのですが、どうも雲行きが怪しくなってきて、近ごろのトラウマである豪雨は避けたい気持ちから、とっとと帰ってきました。
 多少濡れてもいいか、と思えない夏が来年からも続くやも知れませんが、とりあえずあと一週間で秋分です。
 そんな、場当たり的な意識が一番良くないのかも知れません……

 P.S. ノロノロ台風のおかげで、与那国島とはもう2日間も音信不通(電話もメールも)だそうです。加えてリンクを張っている「ヨナグニウマふれあい広場」のある久部良集落は孤立状態だそうです。無事であってもらいたいと願っています(人も馬も)。

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